【報告】2016年7月1期(第66回)傾聴・仏具配付訪問(熊本)
敬称略で。
・日時:2016年7月11日(月)〜12日(火)
・活動地域:熊本県熊本市東区、益城町、御船町、西原村
・活動内容:仮設住宅への戸別訪問(傾聴、仏具配付)および
避難所等の仮設トイレ清掃など
・参加者:黒崎浩行(11日)、遠田旭有(曹洞宗、12日)、太田宏人(同、両日)
・活動記録:
《11日》
08:05 黒崎・太田、熊本空港到着、レンタカー店で荷物受取
09:00 (益城町の葬儀社)天昇院ましきで仏具購入
09:30 浄土真宗本願寺派光輪寺(熊本市東区)
山田敬史住職を訪問、
東日本大震災支援のお線香を購入
10:30 熊本市東区 秋津中央公園仮設団地
(東野2丁目24-1、7月5日入居開始)
仏具配布傾聴訪問
12:00 益城町総合体育館避難所訪問
12:30 昼食 益城町木山のピザ屋さん
14:00 養護老人ホーム花へんろ(益城町赤井)訪問
被災職員へ仏具類提供。読経、法話(太田)
15:00 益城町 赤井仮設団地(赤井、6月14日入居開始)
仏具配布傾聴訪問
16:00 益城町 広崎仮設団地(広崎、6月14日入居開始)
仏具配布傾聴訪問
18:00 仮設トイレ清掃
専寿寺(益城町木山)付近、益城町総合体育館駐車場
18:50 合同法要 赤井観音堂(益城町赤井)
19:20 熊本空港着 初日活動終了、遠田合流、黒崎帰路へ
遠田、熊本市で宿泊。太田、線香の補充購入後、
益城町総合体育館駐車場で車中泊。
《12日》
6:30 太田、益城町総合体育館駐車場仮設トイレ清掃
8:00 太田、益城町 広崎仮設団地 (昨日の続き)
8:45 遠田、合流 益城町 津森町民グランド仮設団地
(津森、6月20日入居開始)
仏具配布傾聴訪問
10:00 益城町 飯野小学校仮設(砥川、6月28日入居開始)
11:00 御船町 旧七滝中学仮設(上野1519-2、7月5日入居開始)
12:00御船町小遠神社(合同法要) 導師:遠田旭有
遠田、帰路へ。以下、太田単独
13:00 御船町 七滝仮設(七滝2599、七滝トンネル手前、入居時期未定)
誰も入っていませんでした。
14:00 西原村 小森第一仮設(小森3157-1、6月18日入居開始)
15:30 活動終了。余った仏具の発送、レンタカーの返却
【配付仏具類】
香炉:32
香炉灰:40セット
線香:箱110+墓参用40束
リンセット:32
花立:9
線香立:7
仏飯器:26
コップローソク:14
【所感:1日目/黒崎浩行】
●太田さんとともに皆様からご支援いただいた仏具、お線香を携えて、地震発生から2ヶ月が経ち、入居が始まった仮設住宅を訪問しました。とくに午後にうかがった赤井、広崎の仮設団地では、家もろとも壊れた仏具の代わりにと受け取ってくださる方が多くいらっしゃいました。仮設団地自治会はまだなく、集会所も建設中というなかで、いったん身を寄せたご親族ともまた離れて仮設住宅暮らしを始められた方々の、やるせない様子がうかがえました。
KTSKのモットーである、こんにちはの挨拶を届ける、祈りを支える、ということに与らせていただけましたことに感謝いたします。
●仏具、お線香を喜んで受け取ってくださる方も多い一方で、うちはうちの宗教があるから、と受け取りを拒まれる方もいました。
また、うちは毎月27日が月参りの日だったが、4月27日以来途絶えている、お寺からの安否確認などの連絡もない、という方もいました。土地の信仰の大切さも思います。
【所感:/太田宏人】
1日目は、土砂降りのなか、黒崎さんと回りました。
仮設住宅を回った経験は確かに多いですが、それは宮城県でのこと。混同しないように、比較しないように、「俺には分かっているんだから」という思いの鎌首が持ち上がらないように、お相手に集中するということに気をつけながら、回りました。
初めての熊本での仏具配付で、緊張もありましたが…。
黒崎さんとは、仮設トイレの清掃もしました。
黒崎さんと別れ、私は益城町の総合体育館の駐車場で車中泊をしました。ものすごく雨が降っていて、車の窓を開けられず、かといってエアコンでは隣近所に駐車している人たち(皆さん、エアコンをかけていません)に迷惑かと思い、閉めて寝ましたら、汗だくで、脱水症状みたいな感じになりました。
これからの季節、車中泊はもう限界なのではないかと思いました。
●花へんろについて
花へんろ(介護保険外 老人ホーム)は身寄りのない方がほとんど。かつては町営でしたが、いまは民営化されています。仮設住宅への道を聞きに寄り、被災した職員さんに仏具をお渡ししましたら、読経を依頼されました(突然で、ちょっとびっくりしました)。
大きなお内仏があり、いろんな宗派の古いお位牌がありました。民営化前のものなので、今の職員さんは、それが誰の位牌かはわからないとのことでした。ご利用者さんか、ご利用者さんがお持ちだった位牌でしょうか。お盆には、近くのお寺さんがご供養をしているということです。
施設長さんがご利用者さんに声をかけてくださり、すぐにご利用者さんが広間に集まりましたので、私は改良衣をつけて、法要を始めました
施設利用物故者追善供養、施設利用者身体堅固、吉祥祈願などをしました。流れで、法話もしました。法話よりも、ご利用者さん皆さんと手を握り合ったことのほうが喜ばれたかも知れもしれません。
●合同法要について
合同法要は、益城町赤井地区の観音堂(震災後に新築されたのでしょうか、非常に新しい建物でした)で行いました。千手観音様の慈悲のお力にすがり、益城の復興を願い、犠牲者の追善菩提を願いしました。
●2日目
朝、1時間ほど総合体育館の屋外の仮設トイレを掃除し、その後、遠田さんと合流し、仮設住宅を回りました。
御船町は大きな商店から各集落が遠いため、仏具を買いにいけない、とおっしゃる方にあいました。仏具をとても喜んでいました。全体的には、お断りになる方のほうが多かったかもしれません。
合同法要は、御船町の小遠神社の拝殿の土間をお借りし、被災地復興と犠牲者の安寧をお祈りしました。この神社も被害を受けていましたが、あまりメディアでは報じられていないようです。そういう存在がたくさんあるのだと感じました。
●西原村
西原村では、あっという間に仏具がたくさん出ました。西原村の小森仮設住宅は大規模で、大きな仮設住宅が4つ固まっています。入居は始まっていますが、まだ、入居していないところもあります。最終的には合計300戸ほどになるようです。
時間と人数の関係で、回れたのは小森第一(50戸)だけでしたが、仏具へのニーズが高かったです。平日で、しかも入居がこれからということもあり、全戸に配付するような状況ではありませんでしたが、活動終了後に、住民が追いかけてきて「まだある?」とおっしゃっていました。
●熊本での特殊性を感じたこと
「(倒壊した住宅、傾いた住宅、倒壊の危険がある住宅に)まだ仏具を取りに行っていない。うちの中に仏具はあるはずなので、いま、これをもらっていいのかどうか」
「過去帳だけは持ってきた」
※真宗地域で、家で「ご先祖様を祀らない」「家に祀るのは阿弥陀如来様」と思っている方もいるようです(実際の感情はそうではない方も多いです。特に西原村では「家で先祖を祀る」という意識は強いように感じました。
真宗という結束性の強い信仰のためか、他宗の僧侶への抵抗を持つ方も若干いらっしゃるようでした。これは、特に留意しなければならないことですね。
「墓参りはしない」
※遺骨は寺や地域の納骨堂に安置して、お墓を持たない方もいる。
※思ったよりも、墓参り用のお線香は断られた感覚があります。
とはいいながら、仏具のニーズはまだまだ非常に高いと思いました。
しかしながら、「いまはそれどころではない」という方も当然います。
(移転直後、まだ入居前、倒壊した/しそうな家から、まだ仏様を、取り出していない、仮設でどう祀るか考えていない、など)
できる範囲でつづけましょう
●居宅内読経
2日間で、私は3回でした。
十七回忌と、三十三回忌、特に名目のない先祖供養でした。
【購入仏具類】
(1)浄土真宗本願寺派光輪寺から
1.「東北支援線香」@1000円×40箱=40,000円
(1)合計 40,000円
(2)ましき天昇殿(益城町の葬儀社)で
1.墓参用線香 @52円×40=2,080円
2.家庭用線香 @280円×50=14,000円
3.香炉用白灰(小150g) @60円×25=1,500円
4.広丸リン @680円×27=18,360円
5.リン棒 @56円×39=2,184円
6.リン布団 @425円×40=17,000円
7.リン台 @152円×40=6,080円
8.コップローソク @400円×26=10,400円
(2)合計 77,332円
(3)スーパーキッド(益城のスーパー)で
1.家庭用線香 @358円×8=2,864円
2.家庭用線香 @410円×3=1,230円
3.家庭用線香 @358円×4=1,432円
4.家庭用線香 @410円×3=1,230円
(3)合計 6,756円
※その他の支出
(4)その他合計
1.レンタカー 15,120円
2.ガソリン 1,595円
3.トイレ清掃用具 1,417円
4.残余仏具配送料 1,736円
5.KTSK所蔵分仏具の配送料 1,620円
(4)合計 21,488円
(1)〜(4)合計 145,576円(5)
【義捐金、支援金のカンパ】
使途
A:仏具等購入費(義捐金)
B:参加者へのカンパ(支援金)
●カンパ報告
A/221,000円、B/119,000円
A−(5)=75,424円
Bは参加者で分けました。
ありがとうございます。
●残存物関係
できれば9月にもう一度、仏具を配付に行きたいと思います。
下記は、その際に使います。
コップローソクは、現地の葬儀社からすすめられて買いましたが、
正直、あまり配りたくはないです(不慣れな仮設で、火事の原因になる)。
これは、女川で配ろうと思います。
(1)残金品
A残金:75,424円
B残金:0円
(2)仏具
【太田保管分】
香炉:2
リン:13
リン台:13
リン棒:8
リン布団:10
香炉:2
コップローソク:12(女川で配付)
【聖花園保管分】
香炉 個数確認中
燭台、佛飯器等 個数確認中
上記は、2016年7月24日現在です。
以上です。